液晶ディスプレイ用配向膜材料の設計指針を確立 No.016

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液晶ディスプレイ用配向膜材料の設計指針を確立 No.016

液晶ディスプレイ用配向膜材料の設計指針を確立

液晶配向性能を決める要因の解明

成果のポイント

  • 液晶ディスプレイの表示品質を左右する配向膜*の性能が、配向膜表面の結晶化度**と密接に関係していることを発見
  • 液晶配向性能の優れた配向膜材料の設計指針を確立

研究・開発機関:日産化学工業(株)電子材料研究所

*液晶配向膜 液晶ディスプレイは、液晶分子の配列を変化させて光を透過・遮断し、映像を再現します。配向膜は、液晶分子を1方向に配列するために欠かせない構成要素で、高分子膜を基板に塗布し、溝が刻まれています。液晶分子を接触させると、その溝の向きに並びます。このときの整列状態の良し悪しによって、ディスプレイの品質が決まります。

**結晶化度 結晶と非晶質が混在している物質における結晶の割合。

SPring-8の活用

背景
液晶ディスプレイの品質は液晶配向膜の性能によって決まってきます。しかし、その要因が何であるかについては、これまで定説がなく、配向膜材料の開発は、試行錯誤で培われた経験と勘に基づいて行われてきました。
 開発段階で、液晶配向膜の結晶化度と配向性能の優劣とが関係していることを暗示する知見は得られていましたが、一般の実験室では詳細な測定をすることは不可能でした。

成果の詳細
SPring-8の高輝度X線と高精度測定システムを用いて液晶配向膜の結晶化度を調べたところ、まず、液晶分子に接する配向膜表面の結晶化度と膜深部の結晶化度とが異なることがわかりました。
 さらに、微小角入射X線回折法で、さまざまな液晶配向性能をもつ配向膜を測定したところ、液晶分子に接する配向膜表面の結晶化度が高いほど、配向性能が高いことが明らかになりました。膜深部の結晶化度は配向性能に影響を及ぼしていませんでした。
 この結果を指針にして、液晶配向膜材料の設計が進められるようになりました。


液晶ディスプレイの原理

液晶分子をはさむ2枚の配向膜は溝の方向が90度変えられています。そのため、液晶分子は90度ねじれて並ぶことになり、その間を光がねじれて進みます。そして、配向膜の外側に配置された偏光板(1方向の光だけ通す)に導かれます。
 2枚の配向膜の間に電圧をかけると、液晶分子が垂直に配列するため、光は直進し、90度ずれている反対側の偏光板を通過できなくなります。このように電圧をオン・オフすることで光を制御しています。

液晶ディスプレイの原理


ディスプレイの表示品質

ディスプレイの表示品質

液晶配向膜(表面)の測定結果

液晶配向膜(表面)の測定結果

配向膜表面の結晶化度が高い(配向性能が高い)ほど散乱強度のピークが高くなります。

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