第7回SPring-8放射光利用技術研究会/
JASRI 第108回SPring-8先端利用技術ワークショップ
「先進HAXPES」の開催について

日 時:2025年1月31日(金)13時00分~16時00分

開催形式:オンライン開催(使用アプリ: Zoomウェビナー、Zoomミーティング(個別説明会))

主 催:SPring-8利用推進協議会(推進協)、公益財団法人高輝度光科学研究センター(JASRI)

後 援:SPring-8ユーザー協同体(SPRUC)

対 象:SPring-8の初級・中級利用者で、今後一層のSPring-8利活用を検討している産学の研究者・技術者。

趣旨

 本研究会は、これまでの放射光の産業利用分野ではあまり利用が進んでいなかったが、今後は有用になると思われる先端的な分析手法で、特にSPring-8-Ⅱにおいて性能向上が期待される技術を中心に技術的特徴や応用例を紹介する。また、ビームライン再編状況や利用制度の変更に関してもタイムリーに情報提供を行うことを目指して活動している。
 今回の研究会では、技術的な展開が広がっている硬X線光電子分光(HAXPES)について技術解説とその応用事例紹介をする。

プログラム

13:00~13:05 開会挨拶と趣旨説明
  研究会主査 堂前 和彦(JASRI)
座長 堂前 和彦(JASRI)  
13:05~13:35

30keV HAXPESと最近のHAXPES技術展開

安野 聡(JASRI)

近年、SPring-8において多様化するHAXPES(硬X線光電子分光)に関するユーザーニーズへの対応や利便性の向上、ならびにビームラインの効率的な運用と技術開発の促進を目指し、HAXPES共用アクティビティをBL09XUおよびBL46XUの2本のビームラインに集約し、各種光学機器およびHAXPES装置のアップグレードを進めてきた。本講演では、両ビームラインの仕様と4つのHAXPES装置の概要を説明するとともに、BL46XUで開発した30 keV励起に対応した高エネルギーHAXPESについての紹介を行う。

13:35~14:00

BL46XUの大気圧HAXPES装置の整備状況

髙木 康多(JASRI)

近年、真空中の静的な状態だけでなく反応中の状態を測定するオペランド計測が注目を集めている。BL46XUでは従来の真空下の測定を行うHAXPES装置の他に、ガス雰囲気下でも動作が可能な大気圧HAXPES装置がEH2に設置されており固気反応や固液反応のHAXPES測定を実施できる。本講演では大気圧HAXPES装置の概要を示すともに、その利用例として、水素吸蔵金属における水素ガス下の電子状態の変化や電圧印加による燃料電池電極中の金属触媒の酸化還元反応などを紹介する。

14:00~14:25

準大気圧HAXPESを用いた触媒界面のオペランド分光計測

小板谷 貴典(京都大)

準大気圧X線光電子分光では動作中の触媒やデバイスの表面・界面の電子状態を計測でき、その元素選択的な情報から動作原理に関して重要な知見を得ることができる。今回の講演では本手法の原理と装置の詳細を説明するとともに、最近の不均一触媒反応計測例を紹介する。

14:25~14:35 休憩
座長 佐藤 眞直(JASRI)  
14:35~15:00

共鳴HAXPES技術

保井 晃(JASRI)

パートナーユーザー課題のもとで世界に先駆けて開発した共鳴硬X線光電子分光(HAXPES)計測技術は、入射光エネルギーが6、8、10keVに限定されてきたHAXPESにおいて、元素吸収端近傍での入射光エネルギーの掃引を可能にするものである。この共鳴HAXPES計測は、これまで主に、重い電子系希土類化合物の量子臨界現象の解明のために利用されてきたが、鉄鋼材料や触媒材料などの応用材料への適用も進みつつある。本講演では、共鳴HAXPES計測技術の現状とその適用事例の紹介を行う。

15:00~15:25

共鳴HAXPESによる希土類化合物の電子状態観測応用事例

三村 功次郎(大阪公立大)

希土類化合物における臨界価数揺らぎを理解する上で希土類4f-5dクーロン斥力は重要なパラメータの一つであり、共鳴HAXPESは、このクーロン斥力を実験的に明らかにできる強力な手法である。本公演では、4f-5dクーロン斥力の導出過程を解説すると共に、種々の希土類化合物に対する共鳴HAXPES計測例を紹介する。また、他分野での本手法の応用例についても簡単に言及する。

15:25~15:30

閉会挨拶

山口 章(JASRI)

15:30~16:00

個別相談会(ブレークアウトルームでの個別Q&A)

参加方法

申込方法:

 ※職場や学校のセキュリティ設定により、参加登録ボタンから(Googleフォーム)の参加登録ができない場合は、こちらからお申込みください。

 定員:100名程度

 申込み締切:2025年1月29日(水)12:00

問い合わせ先

(公財)高輝度光科学研究センター
産業利用基盤開発推進室/産業利用・産学連携推進室 堂前 和彦 (kdohmae@spring8.or.jp
SPring-8利用推進協議会研究会事務局(suishin@spring8.or.jp
〒679-5198 兵庫県佐用郡佐用町光都1丁目1-1
TEL 0791-58-2785  FAX 0791-58-2786
SPring-8利用推進協議会 URL http://www.jasri.jp/iuss/