推進協 第6回SPring-8放射光利用技術研究会 /
SPRUC企業利用研究会 /
JASRI 第107回SPring-8先端利用技術ワークショップ
「SPring-8-Ⅱに向けたユーザー利用環境高度化の最新情報および核共鳴散乱」の開催について

日 時:2024年11月6日(水)13時00分~15時30分

開催形式:オンライン開催(使用アプリ: Zoomウェビナー)

主 催:SPring-8利用推進協議会(推進協)、公益財団法人高輝度光科学研究センター(JASRI)、SPRUC企業利用研究会

対 象:SPring-8の初級・中級利用者で、今後一層のSPring-8利活用を検討している産学の研究者・技術者。

趣旨

 本研究会は、これまでの放射光の産業利用分野ではあまり利用が進んでいなかったが、今後は有用になると思われる先端的な分析手法で、特にSPring-8-Ⅱにおいて性能向上が期待される技術を中心に技術的特徴や応用例を紹介する。また、ビームライン再編状況や利用制度の変更に関してもタイムリーに情報提供を行うことを目指して活動している。
 今回の研究会では、SPring-8ユーザー共同体の企業利用研究会との合同開催として、前半は企業利用研究会からの報告および2025年度から改正される利用制度に関して紹介する。後半はSPring-8-Ⅱで産業界に対しても有用な技術になると考えられる「核共鳴散乱」の原理や応用例について紹介する。

プログラム

13:00~13:05 開会挨拶と趣旨説明
  研究会主査 堂前 和彦(JASRI)
座長 堂前 和彦(JASRI)  
13:05~13:30

SPRUC企業利用研究会 動向調査報告

佐藤 眞直(JASRI)

13:30~14:00

2025年度からの利用制度改正について

佐藤 眞直(JASRI)

14:00~14:10 休憩
座長 佐藤 眞直(JASRI)  
14:10~14:35

核共鳴散乱で何が見えるか

筒井 智嗣(JASRI)

核共鳴散乱はX線が原子核に散乱される現象である。基本的には放射光を励起光としたメスバウアー効果測定であり、共鳴線幅がμeV以下と非常に狭いことが一つの特徴である。
核共鳴散乱では、その散乱機構から主に次の3つの測定ができる。
1)原子核と電子の相互作用である超微細相互作用の観測、2)原子の振動スペクトル(フォノン)の観測、3) X線光学系として利用した精密なエネルギー分析。
本講演では、1)を中心に実験原理について、超微細相互作用という観測量が共通する核磁気共鳴(NMR)や核四重極共鳴(NQR)、元素選択的に電子状態や局所構造、原子ダイナミクスに関する知見が得られるXAFSと比較しながら、紹介する。

14:35~15:00

放射光メスバウアー分光で見るソーダライト中のカリウムナノ粒子の磁性

中野 岳仁(茨城大)

カリウム40原子核では、光源として使える放射性同位体が存在せず、通常のメスバウアー分光が不可能である。SPring-8の放射光を光源とした新しい手法を、配列したカリウムナノ粒子が磁性を帯びる特異な物質に対して適用した研究例をご紹介する。

15:00~15:25 メスバウアー分光法・核共鳴散乱法の産業利用とスピントロニクス材料への応用

壬生 攻(名工大)

本講演では,本学で行っている密封線源を用いたFe-57核およびSn-119核メスバウアー分光の産業利用支援の簡単な紹介あと,放射光利用の利点(多核種展開,オペランド計測,偏光利用など)と将来性,および放射光核共鳴散乱法のスピントロニクス関連磁性薄膜材料への応用例を紹介する。

15:25~15:30 閉会挨拶

佐藤 眞直(JASRI)

参加方法

申込方法:

 ※職場や学校のセキュリティ設定により、参加登録ボタンから(Googleフォーム)の参加登録ができない場合は、suishin@spring8.or.jpこちらからお申込みください。

 定員:100名程度

 申込み締切:2024年11月5日(火)12:00(予定)

問い合わせ先

(公財)高輝度光科学研究センター
産業利用基盤開発推進室/産業利用・産学連携推進室 堂前 和彦 (kdohmae@spring8.or.jp
SPring-8利用推進協議会研究会事務局(suishin@spring8.or.jp
〒679-5198 兵庫県佐用郡佐用町光都1丁目1-1
TEL 0791-58-2785  FAX 0791-58-2786
SPring-8利用推進協議会 URL http://www.jasri.jp/iuss/