第19回SPring-8金属材料評価研究会/
第97回SPring-8先端利用技術ワークショップ
「金属材料開発におけるSPring-8活用の最近のトピックス」
日 時:2024年1月16日(火)13時30分~16時35分
開催形式:現地開催 新大阪ブリックビル (〒532-0003 大阪市淀川区宮原1-6-1)
研究会:A+B会議室, 技術交流会:C会議室
主 催:(公財)高輝度光科学研究センター(JASRI)
SPring-8利用推進協議会(推進協)
後 援:(一社)軽金属学会、(一社)日本機械学会、(一社)日本鉄鋼協会、(一社)溶接学会、(公社)応用物理学会、
(公社)日本金属学会、(公社)日本材料学会
対 象:鉄鋼・非鉄金属材料の開発を研究対象としており、SPring-8の利活用を検討する産学の研究者・技術者
趣旨
本研究会は、鉄鋼・非鉄金属材料の分野において、SPring-8の特徴を活かした利用領域のさらなる拡大と利用技術の深化を目指した活動を行うことを目的としています。
今回の研究会では、最近の金属材料分野におけるSPring-8の活用事例のトピックスとして、製造プロセス、接合技術、変形特性制御、防食技術に関する開発研究に活用いただいた事例をユーザーからご紹介いただき、本分野の研究者にSPring-8活用検討の一助となる情報を提供したいと思います。
プログラム概要
13:30–13:35 | 開会挨拶と趣旨説明 |
研究会主査 足立 大樹(兵庫県立大学) | |
座長 佐藤 眞直(JASRI) | |
13:35–14:15 |
放射光を用いた非鉄金属材料の凝固・鋳造欠陥形成過程のその場観察 金属材料の鋳造欠陥の機構解明のために、放射光を用いて凝固過程や鋳造欠陥の形成過程のその場観察が行われている。今回、銅合金を対象として、凝固過程や割れ形成過程のその場観察を行った。Cu-Sn合金の凝固過程では、包晶反応とは異なる固相変態が選択されることを見出した。固液共存体のCu-Fe-P系合金をせん断変形させることによって、脆化部である液膜で割れが形成する過程を観察できた。 |
西村 友宏((株)神戸製鋼所) | |
14:15–14:55 |
コンプトン散乱イメージングによるHIP溶接界面の検査の可能性について F82H鋼のHIP(Hot Isostatic Pressing)接合界面にSiO2-TaOx粒子が析出することが明らかになっている。しかしながら、これまで介在物を効果的に且つ非破壊で検出することはできていない。そこで本研究では新たにコンプトン散乱イメージングを用いた非破壊検査技術の開発を行うこととした。その結果、HIP界面におけるTa元素の集積など、HIP界面におけるSiO2-TaOx粒子の析出に対応する状態を観測できることがわかった。これらの結果と、PHITSによるシミュレーションの比較、符号化開口マスクを利用したイメージング技術について紹介したい。 |
櫻井 浩(群馬大学) | |
14:55–15:10 | 休憩 |
座長 足立 大樹(兵庫県立大学) | |
15:10–15:50 |
引張変形中その場X線回折実験による鉄鋼材料の変形不均一性の評価とその力学特性との関係 鉄鋼材料は様々な熱処理を通じて相変態・組織制御が容易に制御でき、それらの素過程を理解することで更なる高強度・高延性が実現されると期待している。一方、DP鋼やTRIP鋼のような先進高強度鋼は非常に優れた強度-延性バランスを示すが、複雑な組織を有するためミクロ力学挙動解析が容易ではない。本研究は引張変形中その場X線回折実験より各相の内部応力や転位密度を定量的に測定し、巨視的力学特性との関係を明らかにする。 |
朴 明験(京都大学) | |
15:50–16:30 |
放射光(軟X線~テンダーX線~硬X線)を用いた鋼材上酸化膜/腐食皮膜の構造解析 SPring-8の放射光(軟X線~テンダーX線~硬X線)を活用して、鋼材上酸化膜/腐食皮膜の化学結合状態(軟X線:面内方向分布/光電子顕微鏡、テンダーX線:深さ方向分布/角度分散HAXPES)、ならびに皮膜/鋼材界面(硬X線:埋もれた界面形状/X線イメージング)を調査した結果について紹介する。 |
西原 克浩(日本製鉄(株)) | |
16:30–16:35 | 閉会挨拶 |
山口 章(JASRI) | |
16:45–18:00 | 技術交流会 ※技術交流会については新型コロナウイルス感染拡大等状況により中止の可能性あり |
申込方法
参加申し込みは締め切りました。当日も受付しております。
参加費:無料
※技術交流会:会費制(1,000円)当日領収書をお渡ししますが、当協議会:免税事業者ゆえ適格請求書発行事業者(インボイス事業者)ではありません。
そのため適格請求書(インボイス)は発行できません。ご了承ください。
定員:80名程度
問い合わせ先
(公財)高輝度光科学研究センター
産業利用・産学連携推進室 佐藤 眞直(msato@spring8.or.jp)
SPring-8利用推進協議会研究会事務局(suishin@spring8.or.jp)
〒679-5198 兵庫県佐用郡佐用町光都1丁目1-1
TEL 0791-58-2785 FAX 0791-58-2786
SPring-8利用推進協議会 URL http://www.jasri.jp/iuss/