第11回SPring-8次世代先端デバイス研究会/
第92回SPring-8先端利用技術ワークショップ
「SiCパワーデバイス開発の最前線と放射光利用」

 

日 時:2023年11月29日(水) 13時00分〜18時20分

開催形式:現地開催 新大阪ブリックビル (〒532-0003 大阪市淀川区宮原1-6-1)
 研究会:A+B会議室, 技術交流会:C会議室

主 催:(公財)高輝度光科学研究センター(JASRI)
  SPring-8利用推進協議会 

後 援:(公財)科学技術交流財団 あいちシンクロトロン光センター(AichiSR)
(公財)佐賀県産業振興機構 九州シンクロトロン光研究センター(SAGA-LS)
(公社)応用物理学会・先進パワー半導体分科会
SPring-8ユーザー協同体(SPRUC)

趣 旨: デジタルトランスフォーメーション、スマートモビリティ等々、人間生活の中で電気・電子が関係しないものは無い時代に突入しています。一方で「カーボンニュートラル」実現のためには更なる省エネ化も求められており、製品開発側には新たな取り組みが求められています。新機能の付加や現行機能の飛躍的向上のためには、計算科学と精密な材料解析を組み合わせた材料・プロセス開発が必須であり、SPring-8の高輝度放射光は大いに活用できることが期待されます。
 今回は、省エネデバイスの切り札の一つとして量産が進むSiC(炭化シリコン)パワー半導体に話題を絞り、研究開発の最新動向や実デバイス開発・製造における課題等について、それぞれ第一線の研究開発者の方から紹介いただき、SPring-8の更なる利用推進を図ることを目的とします。

プログラム概要

13:00~13:10

開会挨拶

研究会主査 上原 康(JASRI)

 

座長 上原 康(JASRI)

13:10~14:10

SiCパワー半導体の進展と将来展望

木本 恒暢(京都大学)

 SiC(炭化珪素)に関連する高性能デバイス開発や大規模投資のニュースがマスメディアを賑わしている。SiCパワーデバイスは、高耐電圧・低損失・高速の電力変換用素子として実用化が進展し、電気自動車や電車への搭載も進んでいる。しかしながら、SiCパワーデバイスは、依然としてコストと信頼性の問題を抱えており、デバイスの根幹を成す多くの現象が未解明のままである。本講演では、SiCパワー半導体の最近の進展を概説した後、材料・デバイスの両面で直面している課題と将来展望について述べる。
14:10~14:55

SiCパワーデバイスの研究開発は結晶欠陥と共に:SiCウェハー欠陥評価技術の進展

原田 俊太(名古屋大学)

 SiCパワーデバイスの研究開発は結晶欠陥との戦いが常で、SiCウェハーの結晶欠陥評価技術は進化を遂げてきた。デバイスの性能や信頼性に直接的な影響を及ぼす「キラー欠陥」の観察と識別は、結晶品質の向上や製造プロセスにおける欠陥無害化に向けて重要な一歩となる。本講演では、放射光を利用したX線トポグラフィ法や偏光顕微鏡法による最新の欠陥評価技術を紹介する。
14:55~15:25 SiCパワーデバイス実用化に向けた動作中デバイスにおける結晶欠陥可視化技術の開発

小西 くみこ((株)日立製作所)

 カーボンニュートラルの実現に向けて、SiCパワーデバイスの実用化が進んでいる。しかし、デバイスの動作中にSiC内に結晶欠陥が拡張することで起こる電気的特性の変動が課題となっている。本講演では、動作中のSiC MOSFETにおける積層欠陥の挙動を可視化する技術と、得られた結果から独自のデバイス信頼性モデルを構築しSiC材料設計に適用した例を紹介する。
15:25~15:40

休憩

 

座長 小金澤 智之(JASRI)

15:40~16:25 SiC半導体集積回路とイメージセンサの研究開発

黒木 伸一郎(広島大学)

 シリコンカーバイド半導体を用いた極限環境用集積回路およびイメージセンサの研究開発を進めている。原子力発電所や宇宙開発などで必要とされる耐放射線性を有し、EV電気自動車などで求められる高温駆動が可能なエレクトロニクスの構築が目標である。メガグレイオーダの耐放射線性、最大500℃での長時間動作信頼性などで、材料物理・界面物性の観点からも新しい挑戦となる。現在までの研究開発を紹介し、今後を展望する。
16:25~16:55 SiCパワーデバイス開発の現状と進展

渡邊 寛(三菱電機(株))

 脱炭素社会の実現に向けて、家電から鉄道、電力まで広範な分野での省エネ・省資源に貢献するパワーデバイス技術の進化が続いている。本講演では、各分野で普及が進みつつあるSiCパワーデバイス開発の現状を振り返ると共に適用機器の拡大に向けた開発の進展について、放射光を活用した解析事例と合わせて紹介する。
16:55~17:00

閉会挨拶

山口 章(JASRI)

17:10~18:20

技術交流会 *会費制(1,000円)
※立食形式での意見交換の場です。 新型コロナウイルス感染拡大の状況により中止の可能性あり。

申込方法

参加申し込みは締め切りました。当日参加も受付いたします。

問い合わせ先

(公財)高輝度光科学研究センター
産業利用・産学連携推進室 上原 康 (yasushi.uehara@spring8.or.jp
SPring-8利用推進協議会研究会事務局(suishin@spring8.or.jp
〒679-5198 兵庫県佐用郡佐用町光都1丁目1-1
TEL 0791-58-2785  FAX 0791-58-2786
SPring-8利用推進協議会 URL http://www.jasri.jp/iuss/