第15回SPring-8金属材料評価研究会/
第48回SPring-8先端利用技術ワークショップ
「鉄鋼材料の放射光利用」

 

日 時:2019年12月19日(木) 13時00分〜18時30分 

会 場:AP品川 京急第2ビル
    〒108-0074 東京都港区高輪3-25-23 7階  研究会:Vルーム,技術交流会:Uルーム
    https://www.tc-forum.co.jp/kanto-area/ap-shinagawa/shn-base/

主 催:(公財)高輝度光科学研究センター(JASRI)
  SPring-8利用推進協議会 

協 賛:(一社)軽金属学会、(一社)日本機械学会、(一社)日本鉄鋼協会、(一社)溶接学会、(公社)応用物理学会、(公社)日本金属学会、(公社)日本材料学会、光ビームプラットフォーム

趣旨

 大型放射光施設 SPring-8の放射光は一般の実験室X線に比べ、高輝度、高平行性、高エネルギーなどの特徴を有し、金属材料分野でも広く活用が進められている。
今回は「鉄鋼材料の放射光利用」をテーマに、放射光の役割を議論する。本ワークショップが放射光技術の金属材料分野での一層の活用に繋がることを期待します。

プログラム概要

13:00~13:05

はじめに

研究会主査 小溝 裕一(JASRI)

13:05~13:45

鉄鋼材料の凝固・δ-γ変態の時間分解・その場観察(2D・3D観察)

安田 秀幸(京都大学)

炭素鋼の凝固では包晶反応ではなく、デルタ相からガンマ相へのマッシブ的な変態が支配的に選択され、マッシブ的変態により生成した微細なガンマ粒がデンドライトの溶断やオーステナイト粒の粗大化に寄与することが明らかになりつつある。発表では、SPring-8のBL20B2、BL20XUで実施している透過像イメージング(二次元観察)やX線回折と組み合わせたトモグラフィー(三次元)の時間分解観察を利用したマッシブ的変態に関する研究を紹介します。

 

13:45~14:25

放射光(PF)を用いた原燃料解析事例

村尾 玲子(日本製鉄(株))

製銑・製鋼工程では近年の資源劣質化、高騰およびCO2削減問題により一層のプロセス最適化が求められている。これらの工程は高温で固・液・気体が共存する非平衡短時間のプロセスであり、複雑な反応環境にある。そのため、生成物の評価だけではなく、反応過程の解析が重要である。本報告では、高温in situ XAFS/XRDによる焼結鉱の生成反応および還元反応解析および化学状態イメージング解析の事例を紹介します。

 

14:25~15:05

放射光(SPring-8、NewSUBARU、Photon Factory)を用いた腐食解析事例

西原 克浩(日本製鉄(株))

Zn系合金めっき鋼板やステンレス合金等に生成される酸化膜や腐食生成生物は、基材の組織や組成、ならびに使用する環境や曝露時間によって、皮膜の構造、組織および組成などの深さ方向/面内方向分布が変化する。今回、当社が、SPring-8(硬X線)、Photon FactoryやNewSUBARU(軟X線)を活用して、腐食進行に伴う皮膜構造変化が耐食性に及ぼす影響を調査した結果について事例紹介します。

 

15:05~15:20 休憩
15:20~16:00

放射光(SPring-8)X線イメージングによる疲労解析事例-転動疲労下のき裂発生・進展挙動評価

牧野 泰三(日本製鉄(株))

転がり軸受用途を想定した油浸漬純転がり条件下では,介在物を起点に疲労き裂が発生し,材料内部で進展してはく離に至る.このような損傷挙動を非破壊で逐次観察するために,放射光X線イメージング技術の一つであるラミノグラフィを適用し,上記観察に成功した.これによって,介在物を起点としたき裂発生および材料内部における進展挙動や,これら挙動に及ぼす介在物形状の影響を明らかにすることができました。

 

16:00~16:40

鉄さびのデザインとテ―ラリングに資する放射光解析

山下 正人((株)京都マテリアルズ)

鉄鋼材料は社会の基礎材料であるが、大気中で銅や亜鉛などの金属と比較して10倍以上腐食しやすく、そのプロセスにおいて腐食生成物である鉄さびを生成する。鉄さびはさらに腐食を加速することが多く、社会資本構造物などの老朽化を促進する。本報では、鋼材の腐食挙動が鉄さび構造と関連することや、金属塩が鉄さび構造に与える影響を基礎的に研究した例について紹介するとともに、腐食環境に応じて防食的な鉄さびをテーラリングする反応性塗料についても触れながら、鉄さび構造の研究における放射光利用の有用性について述べます。

 

16:40~16:50

閉会挨拶

山口 章(JASRI)

   
17:00~18:30

技術交流会 (7階 Uルーム) ※会費\1,000の予定 当日受付でお支払い下さい。
SPring-8での課題申請についての個別相談、有用な情報交換の場などとしてご活用下さい。

申込方法

申込方法:参加申込は締め切りました。当日も受付しております。

問い合わせ先

(公財)高輝度光科学研究センター
産業利用推進室 小溝 裕一(komizo@spring8.or.jp
SPring-8利用推進協議会研究会事務局(suishin@spring8.or.jp
〒679-5198 兵庫県佐用郡佐用町光都1丁目1-1
TEL 0791-58-2785  FAX 0791-58-2786
SPring-8利用推進協議会 URL http://www.jasri.jp/iuss/