SPring-8金属材料評価研究会(第7回)
-XAFSの基礎・応用ならびに金属関連研究トピックス-
大型放射光施設 SPring-8の放射光は一般の実験室X線に比し、高輝度、高平行性、高エネルギーなどの特徴を有す。XAFS(X線微細吸収構造)は金属の化学状態や結晶構造解析など用途の幅広い分光分析である。今回は第一部でXAFSの基礎から金属関連の応用事例をご紹介する。第2部では薄膜解析とLiイオン2次電池のイメージング観察事例等のご紹介を戴く。基礎から応用に至る利用研究の一端をご紹介し、放射光分析が金属材料分野での一層の活用につながることを期待している。
主 催: | SPring-8利用推進協議会 研究開発委員会 |
共 催: | (公財)高輝度光科学研究センター |
協 賛: | 中性子産業利用推進協議会、(社)日本鉄鋼協会、(社)日本金属学会、(社)日本材料学会、(社)日本機械学会、(社)軽金属学会、(社)応用物理学会 |
日 時: | 2012年10月5日(金) 13:00~17:00(研究会) 17:10~18:40(技術交流会) |
会 場: | 研究社英語センタービル 地下2階大会議室 (技術交流会:地下1階 中会議室) 電話:03-3269-4331 〒162-0825 新宿区神楽坂1-2 JR中央線飯田橋駅 西口、または地下鉄飯田橋駅 B3出口より徒歩3分 アクセスマップ: http://www.kenkyusha.co.jp/modules/11_meetingroom/ |
プログラム
第1部 XAFSの基礎と応用 | |
13:00~13:10 | はじめに |
鈴木 謙爾(東北大学名誉教授) | |
13:10~13:50 | SPring-8産業利用XAFS専用ビームラインBL14B2の概要と利用事例 |
本間 徹生(JASRI) | |
13:50~14:25 | XAFSを用いた廃棄物分野における金属の状態評価 |
高岡 昌輝(京都大) | |
廃棄物中には様々な金属が含有される。人々の健康や環境に影響を及ぼすものや、貴重であるがゆえに 資源回収が求められるものなどがある。いずれの金属においてもその評価は金属の化学状態・形態などに 依存する。本講演では、これら廃棄物中金属をXAFSにより分析した事例を報告する。 | |
14:25~14:55 | XAFSとTEMを用いた鋼中ナノ炭化物の数密度評価 |
田中 裕二(JFEスチール(株) | |
鉄鋼材料では炭化物をnmサイズに制御することで飛躍的な高強度化が達成でき る。その制御にはこれらのサイズ・量を正しく評価することが重要である。本研究では, 炭化物サイズ・形状評価に透過電子顕微鏡(TEM)を,析出量の評 価にX線吸収微細構造(XAFS)を用い,ナノ炭化物の数密度の高精度化を図った事例を紹介する。 | |
14:55~15:10 | 休 憩 |
第2部 その他分野のトピックス紹介 | |
15:10~15:40 | ゴム-金属接着界面のHAXPES解析 |
鹿久保 隆志(横浜ゴム(株)) | |
タイヤ中の金属(ワイヤ)はゴムと強固に接着することで性能、耐久性を発現し安全に走行できる。ゴム-金属接着層の詳細分析のためSPring-8のHAXPESで測定を行った。タイヤ中のスチール表面はブラスで構成されるため、ゴム接着前後、および加硫時間を変えたときのブラス板表面のCu、Zn、S比率を見積り評価した。 | |
15:40~16:10 | XRDを用いたSi添加鋼の高温酸化過程のその場観察 |
武田 実佳子((株)神戸製鋼所) | |
鋼材製造工程で発生する高温酸化皮膜(スケール)は添加元素や熱処理条件により、密着性や生成量などの性状が異なる。特に鋼材中のSiはスケールの成長速度やその性状に影響を及ぼすことが知られている。本研究では Si添加鋼の高温酸化過程を放射光を用いてその場観察し、スケールの成長挙動に及ぼすSiの影響を検討した。 | |
16:10~16:40 | X線イメージングを利用したリチウムイオン2次電池合金系負極の観察 |
草地 雄樹(日産自動車(株)) | |
シリコンはリチウムイオン2次電池の負極として高容量を示すがリチウムとの合金化反応は非常に大きな体積変化を伴うため劣化が激しいいことが知られている。本講演では、X線イメージングを用いてシリコン負極の劣化挙動をin situで観察した事例を紹介する。 | |
16:40~16:50 | 閉会 挨拶 |
山川 晃(JASRI) | |
17:00~18:30 | 技術交流会 (地下1階 中会議室) |
定 員:70名(聴講無料、定員になり次第締め切ります。)
申 込: 申込は締切りました。
※当日参加は受付いたしております。
参加ご希望の方は、直接会場へお越し下さい。
申込締切: 申込は締切りました。
技術交流会:参加費 (1,000円)
名刺交換、講師、JASRI職員との対話の場としてお気軽にご参加下さい。
[申込み先] e-mail:kinzoku@spring8.or.jp FAX 0791-58-0830
[問合せ先]
JASRI 事務担当 | 産業利用推進室 橋本 保 (hashimot@spring8.or.jp) 事務局代表 (suishin@spring8.or.jp) 〒679-5198 兵庫県佐用郡佐用町光都1丁目1-1 TEL 0791-58-0924、FAX 0791-58-0830 |
SPring-8利用推進協議会HP URL http://www.jasri.jp/iuss/(活動状況など) |