世界最高レベルの3GeV高輝度放射光施設 「NanoTerasu(ナノテラス)」の 共用利用に係る利用促進業務をJASRIが行います(プレスリリース)

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世界最高レベルの3GeV高輝度放射光施設 「NanoTerasu(ナノテラス)」の 共用利用に係る利用促進業務をJASRIが行います(プレスリリース)

2024年4月1日
公益財団法人高輝度光科学研究センター

【はじめに】
 公益財団法人高輝度光科学研究センター(理事長 雨宮慶幸、以下、JASRI)は、2024年4月1日より、3GeV高輝度放射光施設NanoTerasu※1(以下、NanoTerasu)において、共用利用※2の利用者選定やそれら利用支援を行う“登録施設利用促進機関”としての業務を開始することを報告させて頂きます。

【概要】
 JASRIは、2024年4月1日付で、「特定先端大型研究施設の共用の促進に関する法律」に基づき、国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構と地域パートナー※3により整備されたNanoTerasuの登録施設利用促進機関(以下、登録機関)として登録され、文部科学大臣より利用促進業務実施の通知を受けました。

 NanoTerasuは、行政(国)と民間と地域がパートナーとして連携して整備・運営を進める「官民地域パートナーシップ」という新しい枠組みの下で共用に供される日本で初めての第4世代高輝度放射光施設※4です。軟X線領域の高度な技術や先進的な機能を活かして利用を進めることで、広く学術研究や産業利用において革新的なイノベーションの創出が期待できるため、その共用を促進する登録機関として、国内外の多様な分野の利用者に対して、公平かつ公正な利用者選定を行うとともに、新しい利用技術の開発等を通じた利用者支援や研究機能の強化を確実に進める重要な任務を担うことになります。

 JASRIは、これまで特定放射光施設SPring-8及びSACLA※5の登録機関として、積み重ねてまいりました知見と経験を活かし、新たな枠組みの下でNanoTerasuの利用促進を図り、多様な知識の融合等を加速させ、さらなる科学技術の発展と産業の振興に貢献してゆく所存です。

 そして4月1日の業務開始に伴い、NanoTerasuがある東北大学青葉山新キャンパス内にJASRIの新たな事務所を設置し、登録機関として利用促進業務を開始いたしました。

【参考URL】
 NanoTerasu ホームページ:https://nanoterasu.jp/
 JASRI ホームページ:https://www.jasri.jp/


用語解説:

※1:3GeV高輝度放射光施設NanoTerasu
 NanoTerasu(ナノテラス)は、量子科学技術研究開発機構と地域パートナーが東北大学青葉山新キャンパス内に建設を進め、2024年度から運用を開始した高輝度放射光施設です。これまで国内にあった施設の約100倍の強度で軟X線を発生させることが可能で、物質の電子状態やその変化を高精度で追うことができる世界最高レベルの高輝度放射光施設として、国内外から大きな期待を集めています。

※2:共用利用
 研究者・学生による学術研究や大企業・中小企業、スタートアップによるスポット利用を想定し、登録機関が課題募集・課題審査を行う利用制度です。

※3:地域パートナー(官民地域パートナーシップ)
 ナノテラス建設に関し、国の主体である量子科学技術研究開発機構と光科学イノベーションセンターを代表機関とする宮城県、仙台市、東北大学、東北経済連合会からなる地域パートナーで構成され、費用負担も含めた役割分担の元で整備が進められてきました。

※4:第4世代高輝度放射光施設
 マルチベンドアクロマットラティス(MBA)という最先端の加速器技術を採用することで、輝度と干渉性を大幅に向上させた放射光施設。第3世代では観測が困難な微小領域の精密観測や不規則系物質を観測する上で、強力な分析ツールとなることから、未踏領域の開拓や産業利用の拡大への寄与が期待されています。

※5:特定放射光施設SPring-8及びSACLA
 SPring-8は、兵庫県の播磨科学公園都市にある理化学研究所が所有する世界最高性能の放射光を生み出す大型放射光施設で、利用者支援等はJASRIが行っています。SPring-8(スプリングエイト)の名前はSuper Photon ring-8 GeV(ギガ電子ボルト)の略。放射光を用いてナノテクノロジー、バイオテクノロジーや産業利用まで幅広い研究が行われています。
 SACLAは、日本で初めてのXFEL施設。第3期科学技術基本計画における五つの国家基幹技術の一つとして位置付けられ、2006年度から5年間の計画で建設・整備を進められました。2011年3月に施設が完成し、SPring-8 Angstrom Compact free electron LAserの頭文字を取ってSACLA(サクラ)と命名されました。2011年6月に最初のX線レーザーを発振、2012年3月から共用運転が開始され、利用実験が始まりました。



《問い合わせ先》

  • 公益財団法人高輝度光科学研究センター 企画人財部 企画課
    〒679-5198 兵庫県佐用郡佐用町光都1-1-1
    TEL:0791-58-0960
    E-mail:section-jplanatjasri.jp

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