SPring-8金属材料評価研究会(第14回)/
第35回SPring-8先端利用技術ワークショップ

日 時:平成31年1月21日(月) 13時00分〜18時30分 

会 場:AP品川 京急第2ビル
    〒108-0074 東京都港区高輪3-25-23 10階  研究会:Aルーム,技術交流会:F+Gルーム
    https://www.tc-forum.co.jp/kanto-area/ap-shinagawa/shn-base/

主 催:(公財)高輝度光科学研究センター(JASRI)
  SPring-8利用推進協議会 

協 賛:(一社)軽金属学会、(一社)日本機械学会、(一社)日本鉄鋼協会、(一社)溶接学会、(公社)応用物理学会、(公社)日本金属学会、(公社)日本材料学会、光ビームプラットフォーム

趣旨

大型放射光施設 SPring-8の放射光は一般の実験室X線に比し、高輝度、高平行性、高エネルギーなどの特徴を有し、金属材料分野でも広く活用が進められている。今回は金属系3Dプリンタに関連して、放射光の役割を議論するような注目技術を中心に紹介する。本ワークショップが放射光技術の金属材料分野での一層の活用につながることを期待します。

プログラム概要

13:00~13:05

はじめに

研究会主査 小溝 裕一(JASRI)

13:05~13:45

金属積層造形技術の最新動向

池庄司 敏孝(近畿大学次世代基盤技術研究所)

積層造形に用いられる金属系粉体ならびに粉体床の溶融凝固に関する最新の技術動向について紹介します。

 

13:45~14:25

放射光CTによる3Dプリンタ用金属粒子の観察

山崎 紀子(三菱重工業(株))

産業用金属3Dプリンタ開発では、造形条件選定に要する膨大な試験の数を削減することが課題のひとつになっている。対策として、造形条件・造形品質を高精度に予測するための溶融凝固シミュレーションツールの開発に取り組む中、シミュレーションの初期モデル構築に必要な原料粉末の充填状態の把握にSPring-8の高分解能X線CT装置を活用した。取組みの内容と、観察データの解析事例について紹介します。

 

14:25~15:05

BL28B2における3DプリンタのオペランドX線イメージング

梶原 堅太郎(JASRI)

樹脂を熱溶解し積層する3Dプリンタのノズル内部をプリンタを動作させながらX線イメージング観察を行った。SPring-8の高輝度高エネルギーのX線を使うと金属性のノズル内部も高い時間分解能で観察することが可能であり、ノズル内部の溶解した樹脂内に気泡が発生する様子が観察された。今回紹介する実験では樹脂を造形する3Dプリンタを観察したが、厚さ数mmの金属製ノズル内部を観察できていることから、本イメージング実験を金属を造形する3Dプリンタへ適用したいと考えています。

 

15:05~15:20 休憩
15:20~16:00

5%Mn鋼のIn-situXRDを用いた引張変形中の加工誘起変態挙動の測定

鳥塚 史郎(兵庫県立大学大学院)

低C中Mn鋼である0.1%C-2%Si-5%Mn組成の微細フェライト+オーステナイト(α+γ)組織鋼は,高強度(1200MPa),高延性(T.El=30%)を示す。しかしながら最適なγ分率(20%~30%)を得るのに長時間(3600s)を要する。そこで本研究では,極短時間での超微細α+γ組織を生成と、超微細α+γ組織鋼の強度・延性発現機構を調べるために,SPring-8の高輝度X線を用いて、引張試験中In-situ透過X線回折を行い,引張変形中のγ体積率のダイナミックな変化を調べました。

 

16:00~16:40

その場技術を用いた応力緩和・生成挙動に及ぼす材料組織変化の影響

橋本 匡史(橋本鉄工(株))

機械構造物で生じる種々の損傷は残留応力と関係が深く、それは製造中の各プロセス(溶接、機械加工など)で生じる温度・圧力変動に起因した組織変化の影響を受けると知られている。各プロセスで生じるそれらの変化挙動を動的に捉えて理解することができれば,設計や保守への功罪を明らかにして適切に回帰させることができ,機械構造物の長寿命化ならびに高機能化が容易となる。よって,本報では溶接および機械加工に対してその場測定技術を適用し、残留応力の生成・緩和におよぼす組織変化の影響を動的に捉えた事例を報告します。

 

16:40~16:50

閉会挨拶

山川 晃(JASRI)

   
17:00~18:30

技術交流会 (10階 F+Gルーム) ※会費\1,000の予定 当日受付でお支払い下さい。
SPring-8での課題申請についての個別相談、有用な情報交換の場などとしてご活用下さい。

申込方法

定員:70名(傍聴無料)

申込み締切:1月15日(火)※締切ました。当日受付もしております。 

問い合わせ先

(公財)高輝度光科学研究センター
産業利用推進室 小溝 裕一(komizo@spring8.or.jp
SPring-8利用推進協議会研究会事務局(suishin@spring8.or.jp
〒679-5198 兵庫県佐用郡佐用町光都1丁目1-1
TEL 0791-58-2785  FAX 0791-58-2786
SPring-8利用推進協議会 URL http://www.jasri.jp/iuss/