SPring-8 金属材料評価研究会(第13回)/第21回SPring-8先端利用技術ワークショップ
日 時:平成30年1月22日(月) 13時00分〜18時30分
会 場:AP品川 京急第2ビル
〒108-0074 東京都港区高輪3-25-23 10階
https://www.tc-forum.co.jp/kanto-area/ap-shinagawa/shn-base/
主 催:(公財)高輝度光科学研究センター(JASRI)
SPring-8利用推進協議会
協 賛:(一社)軽金属学会、(一社)日本機械学会、(一社)日本鉄鋼協会、(一社)溶接学会、(公社)応用物理学会、(公社)日本金属学会、(公社)日本材料学会、光ビームプラットフォーム
趣旨
大型放射光施設 SPring-8の放射光は一般の実験室X線に比し、高輝度、高平行性、高エネルギーなどの特徴を有し、金属材料分野でも広く活用が進められている。今回は金属材料の特性とミクロ構造に関連して、放射光の役割を議論するような注目技術をご紹介する。放射光技術の金属材料分野での一層の活用につながることを期待します。
プログラム概要
13:00~13:05 |
はじめに 研究会主査 小溝 裕一(JASRI) |
13:05~13:45 |
アルミニウムにおける置換型固溶元素が引張変形中の転位密度変化に及ぼす影響 足立 大樹(兵庫県立大学大学院) SPring-8放射光を用いたIn-situ XRD測定によって変形中の転位密度変化を測定することが可能となっている。変形中と除荷後の転位密度には大きな違いがあることから、In-situ測定は材料の機械的性質をより良く理解するための非常に大きなツールとなりうる。今回、様々な置換型固溶元素を添加したアルミニウム合金に対し、引張変形中の転位密度測定を行うことにより、固溶強化の本質について調べました。 |
13:45~14:25 |
放射光X線ラミノグラフィー法を用いた引張試験におけるボイド発生-成長の4D観察 古君 修(九州大学大学院) 最初に、延性破壊および脆性破壊の定義について、様々な研究分野の視点から解説する。つぎに、大型放射光設備「SPring8」で実験した、純鉄、Ti添加Interstitial Free(IF)鋼での一軸引張試験の局部変形域におけるボイドの発生-成長-合体挙動の4D観察結果および局部伸びとの関係について考察した結果を述べ、放射光実験の延性破壊研究への適用例を示します。 |
14:25~15:05 |
金属合金の固液共存体の変形による凝固割れのその場観察 柳楽 知也(大阪大学接合科学研究所) 鋳造プロセスにおいて発生するマクロ偏析や凝固割れなどの欠陥は、固液共存状態での変形挙動と関係している。従来の凝固後の組織観察では、固液共存状態で起こる複雑な組織形成を正確に把握することは困難である。本稿では、X線イメージングを利用して、金属材料の固液共存状態の組織に対して、せん断、引張、圧縮変形を印加した時の変形挙動のその場観察例を示し、粒子スケールでの固液共存状態の変形挙動や凝固割れの形成機構について解説します。 |
15:05~15:20 | 休憩 |
15:20~16:00 |
イラン初期鉄器時代、鉄製利器はどのように受容され、拡散していったのか-バイメタル剣の高分解能X線CT分析結果から- 四角 隆二(岡山市立オリエント美術館) 紀元前1300年以降、イラン北部からトランスコーカサスに見られるバイメタル剣(銅柄鉄剣)は、鉄器化進行を解明する重要な考古資料である。ところが盗掘に由来する博物館資料が多く、その実態は不明確であり続けた。発表者を代表とする研究グループは、SPring-8の高エネルギー放射光を用いたX線CT分析を行い、世界で初めてバイメタル剣の製作技法を可視化することに成功した。本発表では、明らかになった製作技術の視点から、バイメタル剣の起源と展開を跡付ます。 |
16:00~16:40 |
硬X線光電子分光法(HAXPES)の特徴とSPring-8 BL46XUのHAXPESの紹介 安野 聡(JASRI) 硬X線光電子分光法(HAXPES)は非破壊で材料深部の結合状態や電子状態の情報が得られるため、近年様々な技術分野や材料で利用が拡大している。本講演では、HAXPESの特徴と現在SPring-8 BL46XUで運用するHAXPES装置に関する説明と応用事例の紹介、その他、近年取り組みを開始したHAXPESのデータベース開発に関する状況を報告します。 |
16:40~16:50 |
閉会挨拶 山川 晃(JASRI) |
17:00~18:30 |
技術交流会 (10階 F+Gルーム) ※会費\1,000の予定 当日受付でお支払い下さい。 |
申込方法
定員:70名(傍聴無料 定員になり次第締め切ります。)
申込み締切:1月16日(火)(予定) ※締切ました。当日受付もしております。
問い合わせ先
(公財)高輝度光科学研究センター
産業利用推進室 小溝 裕一(komizo@spring8.or.jp)
SPring-8利用推進協議会研究会事務局(suishin@spring8.or.jp)
〒679-5198 兵庫県佐用郡佐用町光都1丁目1-1
TEL 0791-58-2785 FAX 0791-58-2786
SPring-8利用推進協議会 URL http://www.jasri.jp/iuss/