SPring-8 金属材料評価研究会(第12回)/第11回SPring-8先端利用技術ワークショップ

日 時:平成29年3月3日(金) 13時00分〜18時30分 

会 場:研究社英語センタービル 地下2階大会議室(技術交流会:地下1階 中会議室) 

〒162-0825 新宿区神楽坂1-2 アクセスマップ(http://www.kenkyusha.co.jp/modules/11_meetingroom/index.php?content_id=1

主 催:(公財)高輝度光科学研究センター(JASRI)
SPring-8利用推進協議会 研究開発委員会

協 賛:(一社)軽金属学会、(一社)日本機械学会、(一社)日本鉄鋼協会、(一社)溶接学会、 (公社)日本金属学会、(公社)日本材料学会、光ビームプラットフォーム

趣旨

大型放射光施設 SPring-8の放射光は一般の実験室X線に比し、高輝度、高平行性、高エネルギーなどの特徴を有し、金属材料分野でも広く活用が進められている。今回は金属材料の特性と、それを発現する微細組織構造の関係に着目して、放射光の役割を議論するような注目技術をご紹介する。放射光技術の金属材料分野での一層の活用につながることを期待する。

プログラム概要

13:00~13:05

はじめに

研究会主査 小溝 裕一(JASRI)

13:05~13:45

構造材料の3D/4Dイメージングと応用解析技術

戸田 裕之(九州大学)

この講演では、X線トモグラフィーによる3D/4Dイメージングの最近の動向を紹介する。我々は、この手法で得られる情報が非常にInformation-richな点に着眼し、様々な情報を材料内部で高密度にマッピングする3D/4Dイメージベース解析を開拓してきた。ここでは、4D画像に写る粒子の軌跡を追跡してき裂進展駆動力を3D/4Dマッピングしたり、これにX線回折を援用する結晶方位3D/4Dマッピング法などを紹介する。これにより、各種構造材料で従来の解釈から逸脱する不均一、不規則で確率的な各種挙動が解明されつつある。

13:45~14:25

マルテンサイト変態に起因した静水圧応力による未変態オーステナイトの自己安定化

中田 伸生(東京工業大学)

金属の相変態では,ミクロなスケールで内部応力が動的に発達し,その相変態挙動に多大な影響を及ぼす。本講演では,高強度鋼を得るために重要な鉄鋼材料のマルテンサイト変態を対象として,オーステナイト母相中に発生する変態応力をミクロとマクロな視点から測定し,これによるオーステナイト安定化を議論する。

14:25~15:05

放射光X線を活用したSUS304鋼の微細構造解析と今後の展開

秦野 正治(新日鐵住金ステンレス(株))

最近著者らは、代表的なγ系ステンレス鋼のSUS304(18%Cr-8%Ni)で生じる水素脆化は、水素により結晶内部で塑性変形による歪の不均一性が顕在化するγ相自体にあることを報告している。そこで本講演では、水素脆化をもたらした組織要因を明らかにするため、放射光X線を活用して、SUS304で水素添加と塑性変形の相互作用に 基づくγ相の微細構造を詳細に解析した事例と今後の展開について述べる。

15:05~15:20 休憩
15:20~16:00

放射光と高速二次元検出器を用いたin-situ X線回折によるアルミナ形成耐熱合金の初期酸化挙動の解明

林 重成(東京工業大学)

耐熱合金は、使用環境下で表面に保護性の酸化皮膜を形成し、高温酸化・腐食環境から保護される。従って、保護性酸化皮膜には、迅速な形成および長時間の安定維持が要求される。酸化皮膜の特性には、その生まれが密接に関連していることから、保護特性のさらなる向上には酸化皮膜の初期形成挙動の理解が必要である。本研究では、高輝度X線と時間分割性に優れた高速二次元検出器を組み合わせたin-situ高温X線回折法を用いて、耐熱合金の初期酸化挙動を連続的に測定し、保護性アルミナ皮膜の形成挙動を明らかにした。

16:00~16:40

データ駆動型統計力学による構造材料の力学的特性予測

足立 吉隆(鹿児島大学)

「第5期科学技術基本計画」では、IoTによる技術革新を取り込みながら、「超スマート社会」を実現する事が謳われており、その課題実現に向けた取り組みの一環として国家プロジェクトSIPでは「マテリアルズインテグレーションシステムの開発」におけるモジュール開発を進めている。講演では、材料組織を効率よく定量評価し、その結果を用いて特性を推定し、究極的には特性を発現する組織を逆解析する材料情報統合システム(Materials Integration Phase Analyzer: MIPHA)について紹介する。

16:40~16:50

閉会挨拶

山川 晃(JASRI)

   
17:00~18:30

技術交流会 (地下1階 中会議室) ※会費\1,000の予定 当日受付でお支払い下さい。
SPring-8での課題申請についての個別相談、有用な情報交換の場などとしてご活用下さい。

申込方法

定員:70名(傍聴無料 定員になり次第締め切ります。)

申込み締切:2月22日(水)(予定)
申込は締め切りました。

 

問い合わせ先

(公財)高輝度光科学研究センター
産業利用推進室 小溝 裕一(komizo@spring8.or.jp
SPring-8利用推進協議会研究会事務局(suishin@spring8.or.jp
〒679-5198 兵庫県佐用郡佐用町光都1丁目1-1
TEL 0791-58-2785  FAX 0791-58-2786
SPring-8利用推進協議会 URL http://www.jasri.jp/iuss/