SPring-8ワークショップ <触媒と放射光利用> SPring-8触媒評価研究会(第9回)と合同開催

主催 (財)高輝度光科学研究センター(JASRI)
共催 SPring-8利用推進協議会・研究開発委員会
後援   (社)日本セラミックス協会, 触媒学会, (社)日本化学会, (社)日本分析化学会
日時 2005年11月14日(月) 13:30~16:50
会場 丸ビルコンファレンス スクエア 8階 Room4 (地図) 〒100-6307 東京都千代田区丸の内2-4-1丸ビル Tel:03-3217-7111

概要

 ここ2,3年、SPring-8の高エネルギー放射光を利用した触媒研究が極めて盛んになってきた。 その理由は、SPring-8放射光が世界最高の高輝度X線を利用したXAFS(X線微細構造解析, X線回折<異常分散, 時分割>)等の新しい分析ツールが開発され、 それを利用し分子レベルでの貴重な知見が得られるためと考えられる。  触媒は環境触媒、工業触媒、その他の機能性触媒に大別される。 今回は、特に環境触媒に注目してワークショップを企画する。 環境触媒開発の新展開において放射光を利用した高輝度・高感度な分析とSPring-8を利用した分析技術が果たした役割の実例を第一線の方々に紹介して頂くと共に、 今後の放射光利用の展望について検討する。


プログラム
13:30~ 13:40
挨 拶
小島 泰典(文部科学省研究振興局基礎基盤研究課 大型放射光施設利用推進室)
安保 正一(SPring-8触媒評価研究会主査・大阪府立大学)
13:40~ 14:20
化学状態を「分光」する触媒サイト構造解析の最前線
泉 康雄(東京工業大学)
高活性で高選択的な触媒についての最大の関心事は、活性サイトを特定し、その反応性軌道が反応分子をいかに活性化するかの核心だろう。 高輝度放射光を利用すれば、サイトの化学状態を「分光」するが如くin situ構造解析が行なえる。摂動に応答する触媒反応性軌道からの蛍光線を分光し、 表面触媒反応遷移状態に迫る。
14:20~ 15:00
XAFSを用いるエネルギー変換型光触媒のキャラクタリゼーション
堂免 一成(東京大学)
水を水素と酸素に分解するエネルギー変換型光触媒の構造をXAFS等を用いて検討した結果について講演する。 本講演者らは1980年台の初めごろから光触媒の構造、特に助触媒の構造についてシンクロトロン放射光を用いて研究を行ってきた。 そのような初期の研究から最近のXAFS研究にいたるまで光触媒の発展と照らし合わせながら概観する。 
15:00~ 15:10
(休 憩)
15:10~ 15:50
XAFSによるインテリジェント触媒の研究
田中 裕久(ダイハツ工業)
自動車の排ガスを綺麗にしながら、貴金属の劣化を自分で回復するインテリジェント触媒の開発にはインド哲学が発想のヒントとなった。 インテリジェント触媒の研究における放射光の利用、特にin-situ DXAFSによるLIVE状態での触媒貴金属の挙動について最新の研究を報告し、 SPring-8への期待を述べたい。
15:50~ 16:30
XAFS測定による酸化チタン担持金触媒の化学構造解析
川端 竜也(日本触媒)
金の超微粒子を酸化チタン等に高分散させた触媒について、 触媒性能と金の化学結合状態との相関性を明らかにすべく、 XAFS測定を実施した。触媒中における金は全て0価であり、 また金箔のAu-Au結合がシングルピークであるのに対し、 触媒では使用前後に拘わらず前後へのシフトが見られ、 通常の金属とは異なった構造であることが推測できる。 さらに使用後の触媒では、金の凝集によると思われる結晶成長が伺える。
16:30~ 16:50
SPring-8利用制度の紹介-より広く充実してご利用いただくために-
古宮 聰(JASRI)
17:30~
【交流会】  (場所:丸ビル内)
定員 80名(聴講無料, 交流会参加無料、定員になり次第締め切ります)
申込方法 締め切りました
申込締切 2005年11月7日(月) (締め切り後の申込みは下記にご連絡下さい)
問合せ先

 (財)高輝度光科学研究センター  研究調整部 研究業務課 産業利用推進室担当事務  担当:辻 雅樹、竹内 やよい  Tel:0791-58-0924 Fax:0791-58-0988  e-mail : support@spring8.or.jp